今回は碁盤几(ごばんのき)というものを製作しました。
碁盤を載せる台のことです。
今回は幾つかの遺品の形を基に
ほぼ完全にオリジナルです。
平安の遊びとして欠かすことのできないものとして、 碁があります。
実は、私は、碁について、これまでルールすらよくわからず、
遊び方もさっぱりだったのですが、平安の実践ができないとなると問題です。
古典の記述にもかなり頻出なので、理解にも影響しそうです。
そこで、友人から勧められた「ヒカルの碁」というようなプレイステーション用のゲームを買ってきて、わかったようなわからないような感じでルールを把握しました(笑)
また、会員の方などにも細かいところをうかがって、何とかゲームを進行できる程度にはわかるようになりました。
恥ずかしながら、まだゲーム終了のタイミングや整地の方法などはよくわかりません・・・どなたかご教授くださいませ(苦笑)
さて、碁を打つとなると必要なのが道具類です。
絵巻などを見ると、古い碁盤は、現在のものとは「碁盤の足」の形が大きく違っていることに気づきます。
正倉院の碁盤を見ても最も形の違うところは足です。
やはり、平安の道具類は「華足(げそく)」でなくてはです。
売っている様子もないので、例によって、
さっそくお気に入りの形のものを製作することにしました(笑)
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材料は迷わずお気に入りの木材、
紫檀(したん)にしました。 |

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形をどうするか、かなり迷いました。
正倉院の物はとても豪華です。
国宝の源氏物語絵巻などはいたってシンプルです。
さて、どちらにしようかと迷っていたのですが、
ここで、形を決定する上で最も重要な要素に気づきました。
「収納」です(笑)
現代人の私は碁盤を出しっぱなしにしておくわけにはいきません・・・。
コンパクトに収納したいのです(苦笑)
コンパクトに収納するには、分解が一番!
という結論に達し、「碁盤を使用するときに乗せる台」を
作ることにしました。
そうすれば、碁盤は台を用いない時には卓上でも使用でき、
床に置く時は、この「台」を用意すればよいわけです。
そして収納時は、碁盤と台をそれぞれ収納すればよいのです♪
まさに一石二鳥☆
物を載せる台は、正倉院に「几」として多くの遺品が残されています。
数ある遺品のうち気に入った「足」の形を探し出し(笑)、参考にしました。 |
紫檀の加工はいつになっても
「硬い」です・・・。
当たり前ですが。
本紫檀です♪ |
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絵巻などをみると、華足の下の形が、製作したものと少し違っている点に気づかれたかも知れませんが、そこが今回のポイントです♪
唐風から国風に移り変わりつつある雰囲気を意識したかったので、華足の下の形に「唐風」をすこし残したかったのです。目指すは清少納言の時代。一条天皇の御世風です♪
(且つ、現代の収納に便利なかたち(笑))
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加工した木を組んでみました。
中央などにも横木を渡そうかとも思ったのですが、
収納時には中央が開いている事はとても都合が良いので、この形にしました。 |
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さらに、磨きをかけました。
透漆をかけて、木肌を見えるような仕上がりにしたかったので、きれいにヤスっておかなければなりません。
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そして、最後に全体に漆を何度か塗り重ねた後、蒔絵で装飾しました。
ここで趣向が問われます。
正倉院の中から華やかで美しい花鳥の金銀画などをピックアップし、気に入ったものを随所にちりばめ、金粉、銀粉を用いて蒔絵を施しました♪
せっかくなので、
にUPします♪
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完成 |

下の「国宝源氏物語絵巻(加藤純子さん復元模写参考) 宿木1」の碁盤をご覧ください。
かなりいい感じに完成したのではないでしょうか。

さっそく装束を着て相模守どのと

国宝、源氏物語絵巻のシルエットに近いのではないでしょうか♪
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これで、王朝の雰囲気を楽しみながら碁を打つことができます♪

収納も簡単☆
台は台で。碁盤は碁盤でそれぞれ収納すればよいので。
今回製作した「紫檀金銀絵碁盤几」にセットで褥(じょく)を縫おうかと考えています。やはり、几の上に直に碁盤を載せるのではなく褥を敷いて載せるという方がイイ雰囲気なので☆
その時は糸所にUPします。現在よい感じの錦がないかを探しています♪
そして、何より「碁の腕」をあげねばなりません・・・。
どなたか、御教授くださいませ〜。
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錦で、碁盤のカバーを作ってみました。
碁盤を使わないときはこのカバーをつけておくと、
見た目にも華やかでいいです!!

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