承香院選和歌集


自作の和歌、いただいた和歌、ふと紙などに書き付けたりした和歌などをご紹介します。

これまでは詠んだら詠みっぱなしという具合で、残してこなかったので
何かに紛れて発見されたものや、今後のものを少しづつアップしていきます。
投稿も大歓迎ですので、どしどしお寄せください♪




和歌集弐へ


承香院

人のもとへ

惜しみつつ 行きける春の 花衣
              袖濡るるとは 人はしらずや

                        


皐月ばかり、人を訪ふとて

人をこそ とはまほしけれ 名にし負ふ
             けふのあふひの蔓頼みつつ


また、あひてのち


あふひ見て なほあかぬ身は なかなかに
              袖ぬるる日の 数ぞまされる
                        
      
     
人のもとに

松が浦 寄する思ひの 白波に
            衣の袖の かはく間もなし






             
中宮内侍


弥生の月籠りに

行く春の 名残惜しみし けふなれば
          花の袂を思ひこそやれ

また

惜しめども 散りにし花の 陰なくて
              あやなく暮るる 春のかぎりぞ






日数経れども

うらもなく 頼む心は 末の松
             波超ゆるとも 思ひ寄らじな


この歌をば、内侍の人のもとへとて詠み給へるを
院、後にいづこよりか
聞こし召して「をかし」とて、
「返しせむは」とて詠ませ給へる

うら解けて 今こそは見め なみならぬ
              常盤の松の 下の心に




院、後朝(きぬぎぬ)に

夢ばかり そでをし濡らす 朝つゆの
         あかぬ心地に 消ゆる身なりけり



さらぬとも なほうらめしき あさぼらけ
     あひみしのちの かくばかりとぞ知る


今のところアップしている数が多くないので
種類ごとの分別はしてません。


和歌集弐へ

         TOPへ