上の絵は平安時代に描かれた絵巻を時代が下ってから模写したものの一部です。
椅子に座っている後からはみ出しているのが、今回製作した下襲なのですが、私はこの絵が伝える様子がとても興味深く感じられてなりません。一般的にイメージされる「和風」とはだいぶ様子が異なりますよね。私はこれまでの研究から、特に平安時代の風俗やイメージは、現在一般的にイメージされているのとはだいぶ様子が違ったのだと考えています。
この「正装」には欠くことのできないアイテムが欲しかったのです☆ |
こちらは年中行事絵巻にでてくる
官人の様子です
下襲の様子もよくわかります。
とても興味深いことにいわゆる文官の束帯でありながらに冠にオイカケを付け矢を負っていることです。
これは、身分の特に高い武官のスタイルなのですが、武具と束帯が一緒になっているところが、個人的にはグッとくるところです♪
記録写真のような扱いで描かせたといわれているこの絵巻ではとても細かい部分まで緻密に書かれています。
古記録でこの絵巻は後白河法皇が直にチェックをいれたとも言われています。
よく、文官束帯、武官束帯として、持っている道具まできっちり2つに分けられて描かれている挿絵などを見ることがありますが、
このように身分によっては挿絵などと違うものや、その他にも説明がつかないものが記録として沢山残っているのです。現代では「当然のこと」として思い込みがちな風俗や有職などに、必要以上にはとらわれないでニュートラルに平安を考察することが重要だと改めて感じました。 |