朽葉地牡丹唐草紋袿
(くちばじぼたんからくさもんのうちき)

 


今回は、新たにおなじみの袿(うちき)を製作しました。
都内の某教育施設の展覧会に出品するための製作ですので、
現代の袿の形にしました♪

身八つ口もあります。
オーソドックスな形の袿にしましたが、一点だけ、衽(おくみ)は
少し裾幅を広くとりました。
理由は、現代の袿は身幅が狭いので、着装したときに少しだけゆったり
するようにしてみようかな、となんとなく思っただけです(笑)

今回の列地は、なんと!!
正絹
です!!

絹織物です!!

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朽葉色(くちば)に、牡丹と唐草の紋が、
3色で織り出されている綺麗な生地です!

唐草の色と合うように、
裏地にもグリーンを使いました。



絹の独特の手触りと匂い、
やわらかさと軽さ、
上品なつやと生地がこすれる音など
やはりたまりません♪

地道に標(しるし)をつけたり
縫ったりします。

いつもながら、一つ一つのパーツが
大きいので大変です・・・。



衽(おくみ)をこれから縫うところです。
形が見えてくるととても嬉しいです。







衿(えり)つけまで終わりました。
後一歩です。
袖は、まだついていません。

衿の下の処理はまだです。




これまでの袿でも、縫製過程はご紹介しているので、
今回は少し省略します。

そして、完成!!!

完成は、何回味わっても嬉しいものです♪



紅の単に袿を重ねてみました。
やはり、いつもながら和服の
畳んだ状態の2Dの美しさと
着てみたときの3Dの立体的美しさの
両方の美しさを感じることができます☆



また、一般的には、いわゆる十二単の表着
として知られている袿は女性の着物のように
思われがちですが、平安では当然男性の
もっともくつろいだ部屋着であることは
いうまでもありませんが、こうして
画として見ると新鮮な感じに感じられる方も
いらっしゃるのではないでしょうか。

自分の装束であればこそ、ですが
犬君と戯れています。
枕草子を見ても、物語などを見ても
現代同様、犬や猫などの動物が身近でした。
袿でくつろぎながら犬と遊んでみました。

この犬種は日本の伝統の犬種ではないですが、

いまでは、なかなか犬と遊ぶ装束姿などは
見られないのは平安貴族から見れば
かえって不自然なことだと思います。
なんでも実践です(笑)


ちなみにこの犬君は、私の愛犬で
装束に慣れているので特に驚いたり慌てたりも
しません♪
寒い日は、装束の中にもぐりこんで来て
気持ちよさそうに寝ています(笑)


実は、この袿には沈の香が染ませてあります。
展覧会でほのかに香ればいいなと思って、
思い切って沈香をモクモクと焚いて
香りを染ませました。

自分の好きな香りを染ませてこそ
これまた実践です。
とってもいい香りがします♪♪




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