金銀蒔絵の賽筒
(きんぎん まきえの さいとう)

  

賽筒とはその名の通り、サイコロを入れる筒のことです。
サイコロを入れて振り、サイコロを振り出すわけです。用途はただそれだけ。


装束の実践ということになると、やはり色々なことを試してみたくなります。
そこで、数年前から我が家に装束を着た友人が集まり双六をすることがしばしばありました。
もちろんその際にサイコロを振るわけですが、そこは実践。できるだけお洒落な筒にいれてサイコロを振りたい気持ちになってしまいました。

そこで、正倉院に収められている賽筒のデザインをもとに、自分で蒔絵を施し、賽筒を作ってみることにしました。

正倉院の賽筒の材料は恐らく唐木だと思うのですが(今回はそれほど調べてないです・・・(苦笑))、
とにかく早く実際に蒔絵の賽筒がほしいのと度々新調してその時の気に入ったデザインのものを使いたいということから竹を使って、漆で塗り蒔絵を施すという形にすることにしました。





いたって普通の竹です。
正倉院の宝物は本当に興味深いのですが、
楽器にしても遊具にしても、わざわざ象牙や
紫檀で作っているのに、竹の形状に加工
したりしているものがあります。
なんで敢えて違う部材を使って竹に模したのか本当に興味深いです。

今回の私の作品は
、「本当に普通の竹(笑)です」










←切ります。
 なんか、料理のような説明ですが(笑)


これは量産できてしまうぞ!
と喜び勇んで沢山切りました。

ポイントは、節のどのあたりで切断するかです♪






透漆を塗り、乾かし、2度塗りし
そしてまた固まるのを待つということを繰り返します


重ねて何度縫ったかで色合いに違いが出ているのがお分かりいただけると思います♪


ちなみに、一番左のものには、うっすら金を撒いて
実験してみたところです。

漆が塗りあがって実験で撒いてみた金も
なんとなくいい感じにできたっぽいところです(笑)

ちなみに、筒の中は「金色」にしました。
←いよいよ蒔絵をしていきます。
蒔絵の絵は、まさに正倉院の賽筒を参考にして
似たような絵を描きました。

左からざっくりとした工程順に並べてみました。



完成!

完成!

完成です!
工程途中のものが2つ
蒔絵までしたのを3つ完成させました!

賽筒の中にサイコロをいれて振るとなんともいえない
可愛い音がします♪
公達が双六にふけるようすは枕草子にも書かれていて
とても印象的です。

「公達が双六に夢中になる図」も是非ご紹介させていただきたいと
思いますのでどうぞ請うご期待!

こうして出来上がった賽筒を実用のものとして使うと
気分は平安王朝人です!

実際ににはひとつしか使いませんが、
使用する季節や日によって使い分けようと思います☆






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