もどる







唐組台




組み紐を製作するための道具です。
「唐組台」と呼ばれるものです。

この道具の製作を公開するかどうか迷いましたが、せっかく製作したのでUPします(笑)
「組みひも」をされる方はご存知かと思いますが、「唐組台」と呼ばれる、「組み紐」を製作するための道具です。

一般的ないわゆる組紐と呼ばれるものを組まれるときには、丸台、角台、綾竹台と呼ばれるような道具を使うようですが、平安装束に登場する「平緒(ひらお)」という帯(組ものでできた帯)を製作するには、この「唐組台」でつくるそうです。

「平安装束関連とあらば挑戦せねば」ということで、平緒を製作するかどうかは技術の上達しだいではありますが、「まずは平緒を製作する道具だけでも整えておきたい」と思って製作しました。



右の画像は、繊維博物館所蔵
「唐組台」です。

実際に糸がかけられて組ひもが
組まれている様子がわかります。


〜繊維博物館展示の唐組台〜

今回「組みひも」に興味を持ったのは、やはりなんといっても
束帯などで帯剣する際に欠かせない「平緒」が気になったからです(笑)
平安時代にこの台を使っていたのかどうかは、私は正直わかりません。

最近は「組紐教室」なども増え、様々な方法で組紐を体験できるようですが、
唐組台を使った教室は、私がささっと調べた限りでは大阪あたりにひとつふたつ
ほどでした。(どなたか関東で唐組台を使った教室などをご存知の方は教えてください)
毎度のことですが、「ならば、自力でなんとかしたる」というスローガンのもとに
まずは、組み紐を組むための台から作ることにしたわけです。
正直、あまりの資料の少なさに驚きました。
丸台や角台などの資料は比較的あるのですが、唐組台の資料となると極端に
少なく、資料集めの段階で苦労しました。

博物館に唐組台を見に行ったり、徹底的に書籍をあたるなどして必要な資料をそろえていきました。


材料は檜の材木と
竹ひごです。

わざわざ画像で紹介するほどでも
ないのですが(笑)



日曜大工講座みたいに
なってきておりますが(笑)、
必要なサイズに加工して行きます。







今回のポイントは、釘を一切使わず、接合部にはすべて「ホゾ」を用いていることです♪

また、完成した唐組台が、
分解して収納できるように設計・製作したことです。

平緒などの組みひもを製作するには、
かなりの日数がかかります。
そのため、普通は唐組台の中に木箱を設け、組み上がった部分を収納して置くとの事ですが、さらにオリジナルで手を加え、収納時に分解して移動や持ち運びができるように構造に改良をl加えました。

つまり、唐組台の伝統的な形では
ありませんが、唐組台自体を製作するのが目的ではないの問題なしということで(笑)



せっかく承香院に設置される唐組台
なので、少々飾りめいた形に加工したり
してみました☆

因みに「唐組台」自体はいつの時代から
あったものなのかは今回調べておりませんので、よくわかりません。
どなたかご存知の方がおいででしたら御教授くださいませ。
室町時代の絵には登場しているので、室町時代にはすでにあったようです。



脚の部分も釘などは使わず、
ホゾで組んでいくようにしつつ
分解収納できるように工夫しました。

組み立てなだがら完成の形をチェック

杭竹を一本ずつ磨き、頭を丸く削って差し込んでいきます

  杭竹を差し込む穴をあけていく所です。

すべての部材をやすって仕上げます。





今回のポイントの
「分解収納」です♪
通販の文句のようですが、
ペチャンと収納でくるように
なっています♪



正倉院の宝物からヒントを得たのですが、
製作した唐組台の木材と木材の
継ぎ目のほんのちょっとした隙間を
粉末にした沈香で埋めてあります。

正倉院の宝物は、
漆で塗りつけてあるようですが
道具から香りがしてくるとは、
なんとオシャレな発想でしょう
っということで即採用しました☆







とりあえず、唐組台木枠部分が完成です。

糸を巻きつけるオモリなども製作しておりますが、
四百個ほど同じものがあるだけで
UPしても見ごたえのあるようなものではありませんので、
敢えて公開しないでおきます。


このあと承香院では、この唐組台は
糸所へ移されてまわりを覆う布部分の製作を行います。
そして、できた部分を納める箱の取り付けが行われ、
その後いよいよ組み紐の製作に入ります。

請うご期待!





唐組台が完成したところで、
唐組台を使用するときに
組台を囲っている「幕」を
縫いました♪

普通はとくに飾り気のない
シンプルな布を用い、確か
にその方が使用上も煩わ
しくなくてよいと思いましたが、
できるだけうるさくなく、上品で
且つ美しいものを選んでみました。
いかがでしょうか??




完成しました☆
今回製作した「唐組台」に合うように
縫製しました。
表がシンプルな白の綾に
裏にやさしい渋めの黄緑を
用いてみました。
結構上品な仕上がりではないかと
満足しています♪
装着!!
 裏地の鶯色が渋くて気に入っております♪

表の地紋も上品な感じで気に入っています
あとは組紐が組まれるの待つだけ♪







戻る            目次



トップ