玻璃御誦珠

(はりのおんじゅず)


 平安時代から仏教を切り離すことはできません。
 平安時代の仏教も文化面から実践してみようと
 正倉院や法隆寺などに納められている「誦珠(じゅず)・念珠」を参考に、
 オリジナルの数珠を製作してみることにしました。

誦珠と書かれたり念珠と書かれたり、時代や宗派などによってもいろいろな表現がされているようですが、当サイトの解説の中では、現在最も一般的に使われている 「数珠」という文字を使わせていただきます。変換で一発ででてきますので(笑)
今回の材料は、仏教でいうところの「七宝」のうちのいくつかにしようと考えました。現存の遺品などでも、いろいろなものがあるようですが、正倉院にも平安時代の遺品にも水晶製のものが多く残っています。

                              →
  
木製のものは残りにくかったのかも知れませんが、 水晶ならば「七宝」のひとつでもあるので、数珠のメインのリングの部分には七宝でいうところの「玻璃(はり・水晶)」を使用することにしました。






水晶だけの数珠も現存しているのですが、様々な種類の石を用いているものもあることからも
七宝のうちのいくつかを用いてみることにしました。

左の写真は、瑪瑙(めのう)です。正倉院の宝物とそれを記載した文書などから現代でいうところの瑪瑙と、天平時代の瑪瑙は異なっているという説もありますが、今回は色合いの好みなどからも現代の瑪瑙を使用しました。



個人的に最も好きな石のひとつラピスラズリも使うことにしました♪ラピスラズリも七宝の一つ「瑠璃(るり)」ですので☆
紫水晶、いわゆるアメジストも使用しました。


母珠といわれている部分には、瑠璃(るり)を使用し、
個人的な好みを優先させました。

ここで、重要なのが「石の数」です。
珠というのは、文字通り「誦える珠」であり「数える珠」であり「念ずる珠」です。 様々な遺品を見ても、石の種類や質ではなく「数」が共通している点は、その用途を考えればもっともなことです。 メインのリングの部分は然るべく、108個になっています☆   
完成
   

二重にすれば、ご覧のとおり
絵巻などでも、よく見かける
状態になります。
ちなみに、瑠璃や瑪瑙の配置も
このように二重にしたときに美しく見えるように
工夫しました♪

              ↓




正倉院裂と同じ紋の織物で袋も作ってみました♪


こうして製作してみると、水晶の数珠というのは想像以上に美しく、
手に持った時の少しひんやりとした感触がなんともいえず心地いいです。    
また、二重にして持つと、自然に数珠らしい「ジャラジャラ」という耳にも心地よい音が出ます。先入観も大きく手伝って(笑)なんだか、「ものすごいパワーがあるのかもしれない」というような気になってしまいます(笑)
装束を着て物詣に出かけてみようかな・・・。
様々な実践には小道具も欠かせませんので、今後も必要な小道具なども充実させて参ります♪



もどる